「逃げの転職はいけない(あるいは『失敗する』)」などと、精神主義的なアドバイスをする大人が少なくないが、困難な人間関係は、十分な転職理由になり得る。後で述べるように、転職は、「現在」と「次」の「差」が問題だから、現在よりもましな次の職場が確保できた場合には、転職を躊躇する必要はない。自分の職業人生にとって大事なのは、現在の職場で抱えている問題が、自分の人材価値におよぼす影響だ。たとえば、人事評価で不当に不利な評価を受けたり、仕事のスキル向上に一切役立たない仕事に押し込められたりするような場合、日々が不愉快で、仕事のモチベーションが低下するし、自分の人材価値は、社内的な価値も、転職市場で評価される社外的な価値も低下するだろう。
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そして、経済的に損なだけでなく、将来できる仕事の選択や発展性にもマイナスの影響を与えるだろうから、放置できない。ここで、よくある失敗は、会社の人事異動に期待して、時間を空費してしまうことだ。自分または問題の当事者が、いつ異動するという確たる見通しもなく時間をかけていると、その間、仕事のスキル向上もなく、ストレスばかりが募る、ということになりかねない。通常は一年、どんなに長くても二年以内に、一方が人事異動することが確実に見込まれるのでない限り、転職を本命に考える方が、職業人生上のリスクが小さいはずだ。